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当院の感染症対応について

今回は当院の色々な施策の中で割と評判の悪い感染症対応について説明させて下さい。

動物病院なので色々な病気の動物が来院しますが、その中には感染する病気も存在します。そんな感染症の診療をする時に当院ではどんな対応をしているかというお話です。

 

いきなり評判が悪いと書きましたが、なぜかというと他の動物たちに病気が伝染らないよう物凄く気を遣っているのですが、オーナー様によっては面倒臭い、融通が利かない、差別されていると感じられてしまうからです。

 

具体的にどんなことをしているのか説明します。

 

まず診療予約の段階で感染症の疑いがある患者様は最終枠(午前なら11:30~、午後なら16:30~)の来院をお願いしています。これは感染症の原因菌やウイルスが浮遊・付着しているかもしれない診察室に次の動物を招き入れて感染してしまうことを回避するためです。

「すぐに診て」という要望があっても余程の場合を除いてお断りしていますし、予約無しで来院された場合、指定の時間に来院し直して頂くようお願いしています。

 

 

次に実際の診察ですが、まず病院裏口からお入り頂きます。当院は構造上、裏口から入るとすぐ第二診察室という導線のため、これにより待合室を通過しないようにするためです。

大きな病院だと感染症専用通用口や隔離室があったりしますが当院には無いのでやむを得ずです。更にオーナー様の手にも感染菌が付着している可能性があるので、扉の開け閉めも全て当院スタッフが行います。

同じ理由で診察終了後の会計時もスタッフはグローブをしてお金やカードの受け渡しを行い、頂いたお金すら隔離されます。

 

 

診察終了後、診察室内は徹底的に消毒されます。診察台の上だけでなく、床も椅子も聴診器もPCのキーボードやマウスまで、とにかく全てです。

診療に携わったスタッフはその後ユニフォームを着替えて業務に戻ります。

その診察で発生した注射器やガウン、消毒綿等全てのゴミは感染性廃棄物としてこれも隔離されます。

 

 

と、こんな感じで面倒くさいことをやっているので、診療時間の途中で感染症の診察が入ってしまうと、もう他の診療が回らないのです。そんな理由もあり最終枠をお願いしています。

 

もちろん感染症といっても感染力の強いものもあれば、感染症に分類されるけど伝染る可能性はほぼ無いものまで色々です。なので全てに上記対応をしている訳ではありませんが、やる時はこれぐらい徹底的にやっています。

 

 

 

ここまで読んで、

 

うわっ!面倒くさい病院だな!

 

と思った方もいるでしょう。当院も全ての方がこの対応に好感を抱いてくれるとは思っていません。なので出来るだけ丁寧かつ語頭に「大変申し訳ないのですが」とつけて理解をお願いするように心がけています。

多くの方は理解して下さいますが、過去には

 

ばい菌のように扱われた!

 

とクレームを頂いたこともあるし、

 

前に通院していた動物病院ではそんな対応はしなかった!

 

と文句を言われたこともあります。

 

 

はい、その通りです。

そんな対応をしない動物病院は世の中にたくさんあります。

感染症の疑いがあっても、どの時間でも表玄関から招き入れてくれて、待合室で他の動物たちと一緒に待たせてもらえて、診察終了後は診察台だけサッと拭いて、「はい次の患者さんどうぞ~」という対応の、当院と違ってとっても優しい動物病院です。

 

 

その一方で、こんな動物病院もあります。これはオーナー様から聞いた話ですが、

「子猫がくしゃみをしてるんですけど」

と電話で相談したら

「じゃあ〇時〇分に当院の前に来て。中には入って来ないで」

と言われたのでその通りの時間に行くと看護師さんが一人出て来てキャリーケースの中の猫をチラッと見て

「じゃあこの薬を一回〇㏄、朝晩飲ませて下さい。お代は治ってから払いに来て下さい」

とだけ言ってシロップ剤と請求書を手の平の上にポトッと落として中に戻っていったそうです。

その話をしてくれたオーナー様は酷い対応だった!と怒っていましたが、私はそれを聞いて当院以上に完璧な院内感染予防対策だなと思いました。

思いましたが、真似しようとは全く思いませんでした。

そこに愛はあるんか?

とも思ったからです。

 

と言って、前者の対応をすれば感染症のオーナー様たちから喜ばれることは分かっていますが、感染症ではない動物たちに病気を伝染してしまう可能性があるので、それもしたくない。

 

要するに感染症の動物でもちゃんとした診察をしてあげたい。でもいつでもウエルカムでそれをやっていたら感染症蔓延は避けられない。だからルールを定めて、その範囲内で最大限できる対応をしよう。というのが当院のスタンスです。

 

そのスタンスが絶対正義で、例に挙げた前者、後者の動物病院が悪だと私は思っていません。当院のポリシーとは異なるというだけでそれぞれの方針なので、とやかく言うつもりもありません。

 

どんな対応の動物病院が良いか?

選ぶのはオーナー様です。

 

当院の対応を

 

衛生的で信頼に足る

 

と判断するのか?

 

差別だ!

とか

ひどい対応!

 

と思うのか?

その解釈も全て自由です。

 

 

 

さあ、あなたならどの対応がいいですか?

 

・・・と訊いたら、ほとんどのオーナー様の答えは同じだと思います。

 

 

 

うちの子が感染症に罹った時は面倒臭くなく、すぐ対応してくれる病院でちゃんと診てほしい。

 

うちの子が感染症ではない時は、感染症に気を遣っている衛生的な病院でちゃんと診てほしい。

 

 

それが本音ではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

当院は内視鏡の技術だったり、皮膚科、眼科、循環器科の診療だったり、具体的にはそういった獣医療を提供していますが、獣医療を提供するということは動物の命を左右することでもありますので、何よりも当院が売っているものは「信頼」だと私は思っています。

そして万人に良い顔をしようとすると、どこかに嘘が生じて真の「信頼」は醸成されないと考えています。

 

なので当院の感染症対応に納得がいかないという声も過去にあり、きっと今後も時々あると思いますが、ポリシーを曲げる気はありません。そういう方はどうぞ、もっと緩い感染症対応をしている他の動物病院に行って下さい。

当院は当院のポリシーに賛同して真面目に通院して下さるオーナー様とその愛するワンちゃん、ネコちゃんのために今後も最善を尽くす所存です。

長くなりましたが、ご理解のほどよろしくお願いします。