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症例紹介

アトピー性皮膚炎2 〜サイトポイント(長く効く痒み止め注射)を使用〜

症例】

犬(トイプードル) 、4歳、女の子(避妊済み)

【初診時のご様子】

手足の先を舐める症状が生後8ヶ月くらいから続いている。目の周りを擦ったり、脇の下や内股を舐めたりすることも時々ある。また季節の変わり目などに外耳炎を起こしやすい。痒い時だけ痒み止めの内服を使用してきたが、少しずつ薬を飲む頻度が増えてきた。最近は痒みが強いため1日1回もしくは1日2回痒みどめの薬を飲んで管理しているが、薬を飲み続ける事の体への負担が心配。

普段のケアとしては、トリミングサロンで1ヶ月半に1回シャンプーとカットをしてもらっており、その1ヶ月半の間に1回程度、お家で保湿性のシャンプーを使用しているとの事でした。

症状としては、目の周りはやや腫れぼったくガサガサした状態、脇の下と内股は少し赤みがある程度でしたがやや乾燥気味、手首から先はよく舐めるためか毛が赤く変色し、肉球の間の皮膚も赤みがある状態でした。

【検査】

小さい時から当院に通っていただいている患者様のため、幼少時から痒みがはじまっている事、皮膚の炎症に配慮したご飯を既に食べていただいている事、ノミダニやフィラリアの予防もしっかりできている事、ステロイドではない痒み止めがよく効いている事などは確認済みでした。

追加の検査としてアトピーの素因があるかどうかを確認するための血液検査を実施したところハウスダストに対する反応が高値、飼い主様のご希望で食物アレルギーの血液検査も同時に実施しましたが、今食べているフードは特に問題ない事が確認できました。

【診断】

アトピー性皮膚炎

【治療】

今回は基本的には痒み止めの内服でしっかり管理ができている症例でした。1日2回痒み止めを飲んでいれば全く痒くないが、1日1回に減らすと毎日痒い時間か数時間出てきてしまう事から、1ヶ月間効く痒み止めの注射(※サイトポイント)を使用しました。この注射は打ってから効き始めるまでが数時間〜数日とややバラツキがあるため、もし痒みがありそうなら痒み止めを飲んでいただく事としました。

このトイプーさんの場合は当日から痒みが消失し、最初は内服薬を飲む事は無かったそうですが、25日を過ぎたあたりで少し痒みが出てきたため、2回目の注射の前数日だけ痒み止めを使用したそうです。長期間痒くない状態が続いたため、2回目の診察時に皮膚はとても綺麗な状態、手足の着色もかなり薄くなっていました。

〜その後〜

4回目の注射以降は1か月以上効果が持続するようになって来ため注射の間隔を少し伸ばし、ほぼ注射のみで維持が可能な状態が続いています。

季節や環境の変化で一時的に痒みが悪化することはあるため、その時だけ内服の痒み止めを併用していただいています。以前は毎日朝晩飲んでいたお薬が、多い時でも月に数回程度で済み、皮膚が炎症になる程掻いてしまう事は無くなりました。

現在も継続して1か月〜1か月半に1度の注射を行なっています。

 

担当獣医師より

 強い痒みではないけれど気がつくといつもどこかを舐めている。わんちゃんも可哀想ですし、見ている飼い主さんにもストレスですよね。

アトピー性皮膚炎は、最初は何の問題もない様に見える皮膚が痒くなる状態ですが、掻くことで皮膚を傷つけバリア機能が低下すると二時的な細菌感染などにより新たな痒みを引き起してしまいます。

今回使用したサイトポイントという注射のお薬は、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の痒みをしっかりとブロックしてくれるお薬です。長期間痒みをコントロールすることで、皮膚のバリア機能を正常に戻し、痒みが生じにくくなっていくと思われます。

サイトポイントは他の要因(感染症や、皮脂の過剰分泌)などの痒みは抑えることができないとされていますので、アトピー以外の原因をしっかりと除外する診断がとても重要になります。

 

※サイトポイントについて

お薬を作っている会社さんのサイトにとても詳しく説明されているので、リンクを貼ります。ご興味のある方はぜひ見てください。

犬のかゆみ.com